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その日あった一日の大報告会(嘘) 見てくれるだけでもありがたき幸せ!!
* admin *
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月末〆日なので忙しかったです
それに加えて月曜週初めだから2割り増し
そいでもって一人が今日と明日が忌引のためにこれまた忙しい
日でした、はい

うおーーーとか、
思いながら仕事をしました
まーこう、ね
気持ちの忙しさではなく身体の忙しさだったからさ
余裕と言うか余裕をもってと言うか、
そんな感じで仕事が出来ましたよ
忙しくても気持ちに余裕があると乗り切れるよねーうん
ないともう無理だけどさ
こーイライラだけが募ってね、
総てのことに反感を持ってしまうんだよね
なにぶん、
嫌なことは嫌と言ってしまう性質なので
大変です
やる事はやるけど、
取り敢えずは先に口が出る
ソレはアタシがやらなければいけない仕事なのでしょうか?
的な事をね、うん
遠回しだったり
時には直通にね(笑)←オイ

さーてと、
今日も昨日の続きをUPしようかと思います
思ったよりも長くてびっくりデス
少しでも楽しんでもらえると嬉しいかな、うん

そりでは!


+ + + + + + + + + +


+++++++++++++++++++++++++++++++++++



「俺の強さがどれほどか知りたいんだろう?」

一歩、
また一歩とゆっくり男に近づく
肩に置いた刃を下ろして、
また、
くるりくるりと回す

「なぁ・・・お前のその刀はお飾りか?」

その動きは一体いつ刃が動き出すのか予想が出来ない
下から刃が翻すのか、
上から振り下ろされるのか、
横から薙ぎ払われるのか、
距離を縮めながら刀を回す

「・・・・さすが、ですね」
「褒めても何も出ないよ?せいぜいお前が自分で血を流すくらいだ」
「手酷いな、」
「何を今更?」

ちゃきり、
音が鳴って和泉さんが初めて構えを見せた

「俺に喧嘩を売ったのはお前だ」

顔の横一線に構える
相手に刃を突き刺すように先端を向ける
途端にそこら中に殺気が満ち溢れた

「っ」

自分に向けられたわけでもないのに、
首に手を回され絞められるが如くに息が止まる
より敏感にそれを察知している井国の顔色が、真っ青を通り越して紙のように白くなった

「い、ぐに・・・?」
「・・・・っっ」

びくりと痙攣を起こすかのように何度か身体が跳ね上がる
それを引き起こしている原因の和泉さんは未だ構えたままに状態を低くする
ジリッと足を前に出して、
今にも踏み込みそうな体制だ

「知りたいんだろ?」
「・・・・」
「俺がその異名で呼ばれる所以を、」

この場に不似合いな楽しげな、
くつくつと笑みを零し、
ジリッとまた擦りながら足を差し出す
殺気と刃を向けられている男は無表情にその視線を真っ向から受けている

「けどさ、この世の中荒れていると言っても殺戮だけを繰り返すような時間はそうそうない、」
「・・・・そうでもナイですよ、」
「馬鹿だね、俺が言ってるのが毎日あったら人間は一ヶ月と言わず滅びる」
「・・・・」

男は意味を汲めずに僅かに瞳を眇させた

「そんな日常に毎日身を置いてれば誰だって【鬼】だと謂われるさ」
「何が言いたいのですか?」

血が溢れて止まらない肩に無意識に手を置いて、
それでもまだ戦う気力は失ってはいないのだろう刀を構えた

「この俺も平和ボケしたってことさ、」

構えながらも器用に肩を竦める

「昔の感覚は忘れた」
「・・・・ご謙遜を、殺気だけで充分に人が殺せそうですよ、」

そう言いながら視線だけで後ろに気を向けさせるように和泉さんを促す

「貴方の可愛い後輩が死にそうだ、」

確かに、
井国の様子がおかしい
短い息遣いを繰り返し嫌な汗をかいている

「・・・・だったら早く片付けないとね、」

ニッコリと笑った
綺麗に綺麗に笑った
スッ足がまた前に動いたと同時に
目にも留まらぬ速さで、
和泉さんが前に突き進む
足音もなく
一気に男の懐にたどり着くと
顔の横に構えた刀を後ろから下へ流して払うように振り上げる、

「っ」
「だから、動きが遅いんだって」

その言葉通りに、
遮るように出されたソレごと脇腹を刀で切り付ける

「さようなら、」

言葉の意味ほど感慨は含まされていない声
早さだけでなく力も相当加わってるのか、
男が軽々と吹っ飛んだ
ブチ当たるのは壁ではなく脆い窓

ガシャーーンッ

派手な音を立ててその身体は下へと落ちていった



いつの間にか窓の外は、
幕が張るように霧雨が降っていた
そっと今までの空気が嘘のように静寂が訪れる

「・・・・」

背中を向けたままの和泉さんが、
刀を一振りしてそこについたものを払い落とした

「また、つまらぬものを切っ」
「スッスゲーー!!」

言葉を遮って声を上げたら
またもや目にも留まらぬ速さで俺に駆け寄って来て、
バシリと頭を叩き落とした
三度目だけど・・・・何でこうも地味に痛い痛みを与えるわけ!?

「なっ何っ!?」
「何じゃナイでしょ!?今の所さスッゲー大事でしょ!?」
「え?え?」
「え、じゃないよ!決めゼリフ!今の所は聞いておかないと!」

力いっぱいに主張される
あ、いやでも・・・・それって、

「ぇ・・・・でも、パク」
「しゃらーぷっっ!!」
「ぶふっ」

両手で口を塞がれた
あの・・・・地味どころかかなり痛いんですけど、

「お仕置きよっ」

それもパクリなんじゃ・・・・
心の声を感じ取って塞がれた手で左右に引っ張られる

「いひゃっいひゃいへふっ!!」
「お仕置きだb」

そんなやり取りをしていたら漸く井国が復活したようだ、
肩を上下させながら深呼吸を繰り返していた

「あ、諫早君だーいじょーぶー?」
「・・・・はい、なんとか」
「良かったーごめんね?」

俺から離れて未だ青い顔の井国・・・・和泉さんからしたら、諫早?の肩をぱたぱたと労うように叩く

「俺・・・・またまだ、ですね」
「そんな事ないよー君はまだこの世界に足を入れたばかりなんだから!」
「・・・・頑張ります」
「おぅっ頑張れ!!」

笑って励ます

「あ、そーだそーだ」

思い出したように刀からいつの間にか眼鏡に戻していたそれをくるりと指で回すと青いスライド式の携帯が現れる
それを耳に当てて

「あ、ハヤト君?俺ーうん、そー・・・ところでさ【殲滅】にこの電話つなげてくんない?」

【殲滅】?
言葉の意味に首を傾げていると、
あ!っと小さく声を上げる井国

「・・・・よっす、アレもしかして本部にいんの?」
『くぁ・・・・ふぅ、暇になって』
「あ、マジで?」

携帯から漏れ聞こえる声の主は目覚めたばかりのようだ

「んじゃー仕事お願いできる?」
『よろしくってよ?』
「【殺生組】って言うんだって、規模はあんまりデカくはないみたい」
『ふーん・・・ま、今日中には終わらせるよ』
「よろしくー」
『らじゃー』

そして通話が終わる
俺も聞きたい事多々あるけどそれよりも井国君の方があるみたいなので譲ることにしましたー

「今のって、」
「うん、目障りな雑魚は消すが一番だからね、」
「やっぱり、」
「それに、依頼内容にも含まれてるからさ」

依頼内容に・・・・ってことは、

「まーそんな事も俺達の仕事なワケだよ広瀬君」
「はぁ」

大変ですね、とか
凄いですね、とか
何を続けよか考えあぐねていたら下の階が俄かに騒がしくなった

「おっとー人が集まってきたねーい」

その音に気付いて和泉さんが眼鏡をかけて窓に近付いた

「俺いるとややこしくなりそうだからお暇するね!」
「えっ・・・・あ!」

ぱっと枠に足をかけ、

「ぱいばーい」

飛び降りるのかと思ったら上へ行ってしまった

「・・・・なんか、凄い人だな?」
「まーな、」

ぼんやりと二人で見送って人が来るのを待った

「また、こんなんでお前ハブられるな?」
「だね、」
「・・・・今度は俺、助けてやれなくなる」
「そっか・・・」

そうだった、
井国は本当はここにいるはずのない人間で、
近いうちに?むしろ明日からいなくなるような雰囲気だ

「今までの色々ありがとうな、」
「・・・・」
「まぁなんとかなるよ!」

強がりを言ってるんだろうって分かってんだろーなー
顔を見合わせないけどやる瀬ないと思ってるんだろうなって、
見なくても分かるよ

「井国も早く行きなよ」
「・・・・」
「良いよ、俺なら大丈夫だからさ!なんつーか微妙に慣れたっぽいし?」

何も言わず、
動かない背中を強めに押す
「駄目なら転校って言う最終手段もあるわけだし、」

伊達に金が有り余る家にいるワケじゃない
そんなのどうにだってできるし

「・・・・まぁ井国と会えなくなるのは淋しいかな、」

小さくホントに聞かせるつもりのない呟き

「行けよ井国」
「・・・・」
「行けって・・・・行けよ!!」
「っ」

今度こそ手加減なく殴り付けるように背中を押した

「・・・・ごめん」

一言残して井国は走った

「なんとか、なるよな」


自分に言い聞かせるように集まる人の方へ向き直った







あれから、
一日が過ぎた

俺は学校には行っていない
むしろ行けない

人が何人かまた死んで

窓ガラスが割れて
弾が壁に減り込んでいたり
夥しい量の血がそこら一面に広がっていたら
さすがに、
学校側も俺を疎んじるわけで、
身体の健康状態を考慮検査のために、
などという名目で休まされている
早い話しがこのまま辞めてくれと言われたわけだ、


部屋から見える空は黒に近い灰色
霧雨から大きい雨粒にかわり昨日から降り続いている




「・・・・どうにも、ならなかったよ・・・・」




溜息に載せて、
小さく呟きながら立てた膝に顔を埋めた



誰に聞かれることもない
俺の淋しさ








□□□






「コレ、どうすんだ?」
「取り敢えずは解剖、するんじゃないか?」
「・・・こんなんでか?」
「まぁたぶん?」

暗い廊下に部屋から光が漏れる
そこに二人の白衣を着た男が袋に入った死体を囲みながら言葉を交わした

「詳しいことは教授が来てからだろ」
「だなぁ・・・・つかあの人たんに解剖が趣味だろ」
「むしろ内臓が見たいんだよ」
「言えてる・・・・つことはぐちゃぐちゃになるな、」
「なるな」

そう呆れ半分にため息をつき合った

「ソレは困ります」

シュッ
と引く音がした
振り返ったそこには一人の男

「--」
「ーっ?」

白衣の男が『誰だ!?』と大声を出したが、
それは音にはならなかった
不自然な空気が抜ける音に一人が喉を押さえる
触れた瞬間にぬるりと濡れ

「・・・・?」

触れた指先を見れば赤く染まっていた

「動脈を切りました」

淡々と述べて袋に横たわる死体に近づく
ドサリと言う音に下を見ると同僚が首から血を吹き出して白目を向いていた

「いつまでそうしてるつもりですか?」

無表情に言葉を落とす
死体に向かって

「いい加減に起きてください」
「・・・・」

呆れとも怒りともつかない溜息を零すと、

「・・・・分かったよ」

がさりと音を立てて死体だと思っていたそれが起き上がった

「ありがとねー坂上君」
「・・・・社長の命令ですから、」
「そこは嘘でも良いから、俺のためとか言おうよー」
「アナタノタメニムカエニキマシタ」
「うーわー棒読みー」
「嘘でも良いとおっしゃっていたので、」

あー言えばこー言う二人の漫才のような会話を気が薄れ始めた中で聞いた

「・・・・何でも良いですけど、」
「良いって坂上くーん」
「消毒臭いんで帰りますよ」
「シカトだし、」
「行きますよ」
「はいはい」

突っ込んでいたビニールから足を抜いて台から下りる
がくりと膝をついた白衣の男に今まで死んでいたはずの男が振り返る

「世話になったね」

一つ笑みを落として、
ひらりと身を翻し先に行く男の後を追って行ったしまった





「あ゛ーー身体がダルイー仮死状態も楽じゃないなー」
「どうせこの時ばかりと寝てたんじゃないですか?」
「さっすが!分かってるじゃなーい!」

ぴしっと人差し指を坂上と呼ばれる男に向ける
そうじゃないかと思ってましたとばかりに一段と深く溜息をついた

「ところで、肝心のモノは?」
「ばっちし!」

小さなチップを取り出して見せる
それを確認してから坂上は血の付いた小刀を降ると白い折りたたみ式の携帯が現れる

「社長からです」
「あいよ、」

渡された携帯を耳に宛てれば

「お疲れ様です」
『・・・・ご苦労だったな、片山』

低い声が耳に届く
声と同じ冷たい容貌の自分の主の姿を脳裏に浮かばせた

『デキはどうだ?』
「上々と言っていいでしょう」
『そうか、』
「思わぬ出会いもありましたし?」
『思わぬ?』

聞き返された問いに、
切り付けられた自分の肩に手で触れながら

「【青い鬼】と接触しました」

その言葉に坂上が顔を上げた
電話の向こう側が静かになる

『・・・・それで?』
「噂通り、いえ噂以上ですね」

向き合ったときのあのビリビリと響くような殺気
視線だけで殺せそうな強い眼差し
思い出すだけでも震えが走る

「噂に違わぬ強さ、さすが【縁】の【鬼神】と畏れられるだけありました」
『そうか、』

沈黙が落ちる
そして、

『お前に休暇をやる、ゆっくり休め』
「ありがとうございます」

そう言い終えて通話が切れる

「三日」
「・・・・ん?」
「だから休暇です、三日」
「おぉぅっ!太っ腹だねっ社長!!」

イエッス!とガッツポーズ作った

「南の国に一週間バカンスだー!」
「だから三日、ですって」

何を聞いてるんだこの人はと呆れながら
まーいつもの事かと溜息をついた
顔を上げれば意気揚々とした足どりで先を歩いており

「行くよ、坂上君も貰ったんでしょ?」
「・・・・はい、」

おいでと伸ばされた手に
肩を竦めて従った





□□□




「姉貴ー入るぞー」

重厚なドアを躊躇いもせずに開ける
ちなみにノックもしないで
ガチャ

「七緒・・・・ノックぐらいしなさい」
「へいへーい」
「もう・・・・座って」

目の前に広がる全面の窓
素晴らしいその景色を背に社長椅子に座っているのは、
この広瀬グループ総帥の長女で俺の姉貴、
広瀬睦月
現在は代理でその椅子に座っている
アレ・・・・そう言えば親父の姿近頃見てない、か?
ま・・・・いいか、

どっかりと革張りのこれまた重厚なソファーに身を沈める
見た目に反して座り心地は良い

「ここに呼び出して、何?」
「暇してたでしょ?」
「・・・・まーねぇ」

学校くんな!!って学校から言われちゃー行けないっしょ
行きたくないと騒ぐ今時の学生からしたら羨ましい限りの己の状況

「会わせたい人がいるのよ」
「見合いはしないよ」
「どこぞの馬鹿な馬の骨に可愛いアンタをやるつもりはないわ」

よくある政略結婚
多方面から続々と寄せられる見合い話しに嫌気をさしているのは何も俺だけではないらしい

「んで、誰?」

運ばれて来たコーヒーにミルクだけを入れて掻き混ぜながら問えば、
時計に目をやりながら

「そろそろ来る頃かしら」

そしてちょうどよくノックの後にドアが開けられる

「失礼致します、金雀枝財閥の社長をお連れ致しました」

第一秘書の後ろから現れたのはくすんだ色合いだけれども美しい金髪のこれまた美麗な顔の外人だった

「お久しぶりですわね、リズ」
「貴女もお変わりなく、睦月」

二人は手を交わし合った
その睦月に促されてリズと言う名の金髪美形が俺の目の前に座る

「こちらが?」
「弟の七緒です」

俺に視線が向けられ言葉は睦月に向かう
紹介されて頭を下げた

「初めまして、七緒です」
「お噂は常々伺っておりますよ、」
「良い話しならいいんですけどね」
「ご心配はいりませんよ、おっしゃる通り可愛いらしい方ですね」

全然よくないし、
高校生男子に可愛いはないでしょう普通
つか姉貴よー他人に何を話してんだよっ
色々頭の中でぐるぐる考えていたら
漸く何か違う視線に気付いた
フと顔を上げる
リズと名乗った男の後ろにブラックスーツを着込んだ男が立っていた

「・・・・」

目が合うとにこりと微笑まれる
うっわ・・・・スッゲー美人!!
なんつーかもー人目をひくと言うか
必ずすれ違ったら振り返るような美人!!
どこかで見たことある顔だけれども、
こんな美人一目見たら忘れないと思う!!
ぽや~と魅入っていたらその人が笑った

「あらやだ、そんなに褒めても何もでないゾー」

背もたれに腰掛けてラフな格好でそんな事を言った美人さん

「・・・・」

はて?
どっかで聞いたことあるキャラだな、おい

「いや、キャラじゃなくて声だろ普通そこは」

ピシーと突っ込みが入った
そんな俺達に苦笑を浮かべた姉貴が、

「相変わらずね、和泉」
「睦月も相変わらず化粧こ、」
「黙れ」

最後まで言わさずに冷たい声が遮る

「君はコレに似なくて良かったね!」
「だまらっしゃい」
「女ってこわーい」

けらけら笑う
その笑いがどこかで見たことある

「え・・・・てか、和泉?」

俺の疑問の嵐の中、
姉貴はドス黒い笑みを浮かべてるし
リズさんは困ったように笑うだけだし
元凶はツボにハマったように腹抱えて転げてるし

つか、
あれ?

「か、顔違くないですか!?」
「そりゃ職業柄やっぱ本顔はそう簡単に見せられませんがなー」

伊達に暗殺仕事にしてませんよー
だなんて、
あっけらかんと言われても・・・・
何て言えば言いのさっ(焦)!?

「笑っとけばー」


アンタが言うなっっ

目の前で笑ってる和泉さん見て姉貴に視線を移した

「え、じゃー会わせたい人って・・・・」
「そうよ、この腐れ八方美人」
「ちなみに元祖つったら睦月だよな、リズー?」
「・・・・話しをふるな・・・・」

パッと覗き込まれてリズが物凄い早さで視線を反らした
一段と空気が悪くなると言うか悪くしている元凶と吐き出してる人物の間で可哀相すぎるっ
って言うか・・・・姉貴と和泉さんって、

「・・・・仲悪いの?」

と聞けば
超笑顔で俺に振り返る和泉さんは、

「良いよ!!」

ちなみに姉貴は
笑顔なのに冷たいっ
つか怖いっっ

「とってもね、」

俺はそれ以上その件に関しては触れなかった
つか触れたら死ぬっ

「そ、そぅ」

取り敢えず冷や汗の出た状態で笑みを浮かべ
この冷戦をどうにか抜けたいと思いながら話題を張り巡らせていたら、
リズさんが本題に触れる前フリをした

「和泉、取り敢えず君が今日ここに来た本来の目的を話したらどうだい?」
「え?」
「え、じゃなくて」
「・・・・何だっけ?」

せっかくの言葉なのにそれを言わなければならない人物は、
その目的を忘れたらしい
ハテナ?と言いながらかなりの角度で首と言わず体ごと傾けている

「和泉・・・・」
「いやっ待て待て待てっ思い出すから!!」
「馬鹿ね、相変わらず」
「うるさいなー化粧ババァは黙っててくれる!?」

いきなりの暴言デターーー!!!
見れないっ横が見れないっ!!
つか寒いっ
うすら寒いっ
リズさんも視線が横に流れてるしーーー!
しかし当の本人は気付いてさえいないっ
この人ホントに危険人物だなオイっ

「あっ!!」
「思い出してくれたかっ」
「はいはいはいっ思い出した!!」

漸く何かを思い到ったらしい
ソファーをバシバシ叩きながら俺を指差し

「睦月っお前の弟を嫁によこせ!!」
「アンタに死んだってあげないわよ!!」

・・・・ぇえーー
ナニソレー・・・・
対応にも困るし返事にも困るんですけどー

「・・・・極端すぎるよ、和泉」

むしろ極端過ぎますからっ
呆れてものも言えないのか大きく溜息をはくリズさん
しかし和泉さんはきょとりと首を傾げるだけで分かってはいない

「え、直訳すればこうでしょうよ?」
「誤解を招きすぎる」

ホントにね!
つかむしろ何が言いたいんだホントにこの人はっ

「もういい私が話す」
「お願いします」

睨がみ合っている(一方的に姉貴だけが)二人を余所にリズさんが身を乗り出した

「君を私が経営している学園に招きたいのだ」
「・・・・え?」

何を言い出すのかと思ったらこんな事だった

「と言っても普通の学園じゃないんだけどね!」
「え?」

姉貴の睨みを軽く受け流して俺に体ごと向ける
にこーと笑って

「スカウトしに来るって俺、言ったでしょ?」
「言い、ましたけど」

え、
あれ、は・・・だって
社交辞令みたいなもにじゃなかった、の??
本気にするとかしないとかじゃないけど、
そんな・・・

「俺、言ったことは実行するよ」
「・・・」

ですね、
しかも姉貴は和泉さん睨み付けたままやっと本題に入ったなと言う顔をした

「でも何でそれで学園に?」
「それはね、」
「和泉が言った通りに普通の学園ではないんだ」
「表向きは閉鎖的な金持ち学校なんだけどね」

金持ち学校?
が、普通じゃない?

「俺達のような仕事をするのに必要な知識を入れる為の学校なんだ」
「と言ってもまだまだ君達は学ばなければならないことも多い、だから普通の勉強もしている」

付け足すようにリズさんも説明に加わる
けど俺にはあまりの事で内容の意味がまったく掴めない

「どう、来ない?」
「こ・・・来ない、って言われてもっ」
「楽しいわよ、」
「楽しいって・・・え?」

そんな楽しいとか言われても!!って思ったんだけれど、
それが勧誘する側から放たれた言葉ではなく、
ごく身近でむしろ隣から聞こえた声に勢いよく振り返る

「行ってみなさいよ、楽しい所だから」
「・・・あ、ねき?」

長い髪をかき上げながら困ったような顔で、

「アタシも行ってたのよ、昔ね」
「俺ら同期!」

イエーイとピースをかます和泉さん
姉貴は肩を竦めて、

「楓もそこ出身だし、」
「かっ楓も!?」
「あーそう言えば楓、お前と結婚したんだって?」
「まだ婚約よ」

そう楓とは、
姉貴の婚約者だ

「言っといて、」
「何を?」

あ、なんか絶対言うっ
確実に姉貴を怒らすこと言うっ!!

「ご愁傷様、って」
「・・・・」

言ったー!!
お互い一歩も譲らない氷点下の笑み合戦だしー!
もーなんだよ、
止めろよっー
話が先に進まないじゃんかー(涙)
って言うかもしかしなくても?

「その頃から、それ?」
「「・・・・」」

無言
肯定ですね
そうですか、

「まーともかくとして、君はどうしたいかな?」

もーコイツらほっとく!
的なリズさんの態度、
的確です
そうしましょう

「寮生活になってしまうが、どうかな?」
「・・・」
「それに、諫早君もいるよ!」
「・・・え、」

諫早・・・って確か、

「井国も?」
「それは偽名、彼は諫早君って言うんだ」

いぐ・・・諫早もいる?
また一緒にいられる?

「淋しかったんでしょ?」

言葉にしなかった心の声を聞いて優しく言われる

「・・・行っても、良いの?」
「行きなさい、楽しいことも辛いことも生きていくことの現実も知れるから」

姉貴のそんな言葉に後押しされる

「仲間もいるし、たくさん作れる」
「何より現実離れした遊びが山ほどあるから!」

その例えもどうかと思うけど、
第一そこまで楽しいと言うなら行かないと損じゃない?

「損っ損!」

まったく本当にそんな風に言うので
笑うしかない

「・・・リズさん、ヨロシクお願いしますっ」

そう言いながら頭を下げたら、

「待ってるよ」
「優秀な成績で卒業したら俺の所においで!」
「はいっ」











かくして、
俺の復学先も決まったなら
就職先まで決まったわけだ
きっと彼等が言うように楽しいばかりではないと思う、
姉貴が言った通りに世の中の現実も知れるのだろう

でも、
この人の近くで何かをしてみたいから、
頑張ってみようと思う!!



「やった嫁ゲット!!」
「だからアンタにはやらないわよ!」



前途多難だな・・・





第一章 END




+++++++++++++++++++++++++++++++++++

ようやっと第一章が終了!
現在は第二章をこつこつと打っています
また終わり次第に、
こちらにUPしていきます!

ではではっ

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